Hackintoshのパーツ選び 【その5:SSD】
5回目は、さらに小物、脇役のストレージについてです。結論を先に書いておきます。
SATAケーブルで接続する2.5インチSSD/HDDや3.5インチHDDは、どのバージョンのmacOSでも動きます。必要かどうかわかりませんが5.25インチCD-ROM/DVD/Blu-rayドライブも使えます。何の問題もないです。好きなものを選んでください。ちょっとだけややこしいのは、マザーボードなどのソケットに挿すカード型SSDの類です。
用語の整理
マザーボードなどに挿すカード型のSSDは色々な種類があります。まずはソケットの形で分類できます。最近のマザーボードについているSSD用ソケットの形状は、次の2種類です。
- 一つは、mini SATA (略してmSATA )と呼ばれる形のソケットです。mini PCI Expressというソケットもありますが、形は同じです(これもまたややこしい)。
- もう一つ、最近流行りなのがm.2と呼ばれる形のソケットです。さらに小さくて、細長い形状のカードが多いです。
ちなみに実際のMacに内蔵されているカード型SSDは、このどちらでもない、Apple独自規格のソケットです。
マザーボードソケットに接続される信号線で分類すると、次の2種類があります。
さらに、この信号に流れるプロトコルで分類すると、次の2種類があります。
この2x2x2=8通りの組み合わせは、さすがにありませんが、色々な組み合わせがあるので注意が必要です。例えば、
- mini SATAでSATA接続でAHCIプロトコルとか、
- m.2でSATA接続でAHCIプロトコルとか、
- m.2でPCIe接続でAHCIプロトコルとか、
- m.2でPCIe接続でNVMeプロトコルとか、
いろいろあります。
このうち、macOSのどのバージョンでもサポートしているのが、AHCIプロトコルのSSDです。ソケット形状やSATA/PCIeの違いは問題になりません。OSから見たらそのレベルのハードウェアは抽象化されているので、大丈夫なのです。
国内ではmSATAソケットSSDは品薄で割高ですが、海外だと512GBが$200で買えるのですね。mSATAはSATA接続ですのでプロトコルはすべてAHCIです。
High Sierraで完全サポートされたNVMe
問題は、NVMeです。NVMeはEl Capitanのあたりで一般的に流通し始めました。MacBookシリーズには、他のプラットフォームに先駆けて、NVMe登場の早い段階で採用されました。ただし、これはMacintoshの歴史でよくあることですが、一般に売られているNVMe SSDとは互換性のないSSDが使われていました。ソケット形状も独自ですし、データのブロックサイズも違うようです。そのため、一般に販売されているm.2 NVMe SSDは簡単には使えませんでした。
El Capitanの時には、NVMeGeneric.kextというカーネル拡張が配布されて、これで市販のm.2 NVMe SSDが使えました。しかし、Sierraで動かなくなりました。
Sierraでは、市販のm.2 NVMe SSDを動かす長い長いパッチが公開されて、config.plistに組み込んで使うことは可能でした。手間が面倒でした。
その苦労は、High Sierraで終わります!High Sierraでは市販のNVMe SSDがサポートされるようになります。今時は、m.2 SSDはどれも高速なNVMeになり、低速のAHCIのモデルは品薄で割高です。とても助かります。
NVMeのm.2 SSDの製品は増えています。おそらくどれもHigh Sierraで問題なく使えるはずです。なかでもSamsungのEVOシリーズは、早い時期から販売されているので、Hackintoshで使っているという報告が多いです。