Mac信者のHackintosh修行

惑星で一番美しいOSが1台でも多くのマシンで動くことを目指します。

起動失敗に備えてバックアップ

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Hackintoshでkextを入れ替えたり、config.plistを書き換えたりなど、色々実験していると、起動しなくなる状況に遭遇することがあります。そんな場合に対処できるように、起動可能なパーティションのバックアップを持つことは、Hackintoshを使う上での必須の習慣だと思います。

バニラなインストールをすると、SSD/HDDの本体パーティションmacOSが入り、macOSでは使用しないEFI System Partition (ESP)にClover bootloaderやkext類がインストールされます。

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Hackintoshが動かなくなったことに備え、バックアップする対象は、以下のいずれかになります。

  1. ESPとmacOSインストーラ
  2. ESPとmacOS
  3. ESPのみ

それぞれについて、以下で説明します。

1. 導入用USBメモリを残しておく

一番普通の方法かもしれません。一般的な手順では、USBメモリmacOSインストーラを作り、これにCloverをインストールします。このUSBメモリを大事に保存しておけば、本体が起動しなくなった場合に利用できます。これがあれば、一切を消去してもう一度インストールし直すことができます。でも、そこまでやらなくても、macOSインストーラで起動できれば、ターミナル.appを起動することができるので、かなりの作業が可能です。起動失敗を引き起こしたkextを取り除いたり、config.plistを元に戻したりできます。

またバニラなインストールがされていれば、ESP部分を書き損じても、macOS本体は正しく残っている可能性が高いです。USBメモリのCloverで起動して、起動しなくなったドライブのmacOSから起動できれば、修復作業が容易です。

この方式の難点は、非常用のUSBメモリは滅多に使わないので、失くしてしまいやすいことです。手元にあるとついつい他の用途に使ってしまいます。気軽に使えないようにPCケースの中に入れておくのも良いかもしれないです。

2. CloverとmacOSを複製しておく

バニラなインストールをしていれば、macOS本体に手を入れることはないので、Hackintoshの不具合でmacOS本体を壊す危険はありません。でも、macOSのバージョンアップ、特に年に一回のメジャーバージョンアップに備えて、CloverとmacOSの両方をインストールして、バックアップとしておくのが良いです。

バックアップのためには、いつも使うSSD/HDDとは別のドライブに、macOSとCloverをインストールします。通常のインストールと同様に、インストール用のUSBメモリから起動して、対象とするドライブのパーティションをフォーマットして、macOSとCloverをインストールしても良いです。でも、すでに起動できるmacOSドライブがあってこれをバックアップするならもっと簡単です。以下のようにできます。

  1. App StoreからダウンロードするmacOSインストーラを起動して、対象とするパーティションmacOSをインストールします。
  2. 必要ならば移行アシスタントを使って現在の設定とアプリケーションもバックアップします。
  3. 対象とするドライブのESPに、現在起動しているESPの内容をコピーします。(Cloverインストーラを起動しても良いですが、ファインダによるドラッグ&ドロップだけでもバックアップできます)

もしマシンに複数のHDDを接続していて、その一部をデータ用やTimemachine用にしているような場合、そのHDDの最初に60GBくらいのパーティションを用意します。そしてこのパーティションとESPそれぞれに、上記の手順でmacOSとCloverを入れておくと良いです。macOS自体は30GB弱あればインストールできます。60GBあれば必須のアプリケーションと多少の作業は可能です。内蔵HDDにバックアップを用意しておけば、USBメモリと違って紛失する心配もありません。 

3. ESPを複製しておく

バニラなインストールをしておけば、Hackintoshに必要なものは全てESPに入っています。設定を変えて起動しなくなる場合も、ほとんどの場合がESPの内容を書き換えてしまったことが原因です。そこで、ESPだけをバックアップしておけば、大抵の場合は、これから起動することで復帰できます。ESPは容量も少ないですので、バックアップも容易です。データ用のHDDやUSBメモリでは使われていない領域ですので、あちこちにバックアップしておくと良いです。内蔵SSD/HDDにも、空のESPがあったら、今使っているESPの内容をコピーしておきましょう。

ESPにあるファイルだけを、ファイルサーバやクラウドに保存しておいても良いと思います。これまでの説明で用意したバックアップのSSD/HDD/USBメモリが全て無くなってしまっても、ESPの内容さえ持って入れば、手元のSSD/HDD/USBメモリのESPにコピーして起動させることができます。

4. ESPを自動バックアップする

追記:ESPを自動的にバックアップする方法をこちらに書きました。

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