Mac信者のHackintosh修行

惑星で一番美しいOSが1台でも多くのマシンで動くことを目指します。

音を出す

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Hackintoshで音を出すためのアプローチは、いくつかありますが、ここでは、一般的で簡単な3つの方法を難易度の低い順に紹介します。それぞれの作業量は、

  • 何もしない
  • kextを1個入れる
  • kextを2個入れてconfig.plistを1項目追加する

です。

USBオーディオを使う

マザーボード搭載のオーディオチップを利用せずに、外付けの音源でデジタルアナログ変換するアプローチです。USB接続のDAC (デジタルアナログ変換器)を搭載した、スピーカ、アンプ、アダプターなどを接続するだけです。USBの標準的なオーディオ再生プロファイルを使うので、OSレベルでサポートされています。なので、特別のドライバーは不要で、何の手を加えなくても、音が出ます。ちなみに、Bluetootlスピーカも同様な仕組みで音が出ますので実機と同様に動きます。

USBオーディオ製品には、USBポート直結の安いDACがあります。手軽に試せて、実現できます。いくつか購入しましたが、どれもHackintoshで問題なく使用できました。ただスリープ復帰時にボツッというポップノイズが出る製品もありました。手元の環境でたまたま調子の良かったのは、この1,000円未満の製品でした。

Plugable USB オーディオ変換アダプタ 3.5mm ヘッドホン・マイク端子付(黒アルミニウム仕上げ、C-Media社HS 100B チップ採用、Windows、Mac、Linux 対応) 

USB DAC内蔵スピーカーも各種あります。これもいくつか購入しましたが、中でもこちらの製品は価格の割に良い音でした。

Olasonic USBスピーカー バスパワー 10W+10W TW-S7(W)

さらに手軽な値段のDAC内蔵アンプも多数あります。これをちゃんとしたスピーカに接続したらかなり良いオーディオ環境を実現できます。ピュアオーディオマニアが使うようなもっともっと高価な機器も使えます。

VoodooHDA.kextを使う

VoodooHDA.kextは、AppleのオーディオドライバであるAppleHDA.kextを置き換えることを目的に開発されているオープンソースのオーディオドライバです。これ単体で機能するドライバで、設定などがほとんど不要で、 自動的にオーディオチップを検出してくれてすぐに機能します。 一時は、クラッシュを引き起こすとか、音質が悪いとか言われていましたが、最近使ったところでは安定しているし、気になるような音質の問題もありませんでした。JeffさんのビデオでもVoodooHDA.kextを使っています。

追記:とあるマシンでVooDooHDA.kextを使っていると音割れがひどいことに気づきました。調整をしてくれるアプリケーションなどもあるので、それで頑張ると良いのかもしれません。でも次節で紹介するAppleALC.kextに替えたら音割れは起きなくなりました。VooDooは簡単ですが環境によっては合わない場合があるようです。(2018/6)

siroanko.hatenablog.com

VoodooHDA.kextをダウンロードして、ESPにあるCloverのEFI/CLOVER/kextsのOtherもしくは、該当するバージョンのフォルダに入れます。これだけで機能します。ESPに入れることでmacOSをバニラなままに保てます。

AppleALC.kextとLilu.kextを使う

3番目の方法は、昔から行われている伝統的な方法で、AppleHDA.kextに何とかオーディオチップを認識させようという方法です。そのために、AppleHDA.kextにパッチを当てたり、config.plistに必要な設定を書き込んだり、インジェクターkextを作ったり、こういう作業を自動化してくれるシェルスクリプトを走らせたらい、など色々な手法があります。

このアプローチを格段に簡単にしてくれるのがAppleALC.kextです。これは、AppleHDA.kextにパッチを当ててくれるkextです。この開発者が、最近パッチを当てる機能を分離して、Lilu.kextという拡張機能を作りました。現在のバージョンのAppleALC.kextはLilu.kextと一緒に使います。この両方のkextをCloverのEFI/CLOVER/kextsのOtherもしくは、該当するバージョンのフォルダに入れます。AppleHDA.kextにパッチを当てないので、macOSをバニラなまま保つことができます。

こちらにAppleACL.kextがサポートしているチップ一覧があります。最近のマザーボードで一般的なRealtek以外に、Creative, CirrusLogic, AnalogDevices, Conexant, IDT, VIA, Intelをサポートしています。 IntelはHDグラフィックスのHDMI出力をサポートしています。 

github.com

ここに書いてあるどのlayoutを使うかをconfig.plistに記載する必要があります。 Realtekの場合、だいたいは1で良いようです。 以下に例を示します。

        <key>Devices</key>

        <dict>

                <key>Audio</key>

                <dict>

                        <key>Inject</key>

                        <integer>1</integer>

                </dict>